第17号 −平成22年11月1日発行−
■発行人:土井邦紘  ■編集人:和田成雄  ■題字:福井 厳 顧問
第17回 京都糖尿病医会 学術講演会
テーマ 「骨粗鬆症」
平成22年6月26日 京都府医師会館
今回は桝田 出先生のコーディネートにより、骨粗鬆症に関する演題2題とワンポイントレクチャー2題の講演があり、フロアーを交えて活発なディスカッションが見られました。プログラムは別記の通りです。
「骨粗鬆症の意義と実際」
京都大学運動機能開発分野 坪山直生先生
 骨粗鬆症の治療の目的は、第一に骨折を防ぎたいということであるが、脆弱性骨折は、骨代謝回転が上昇し骨塩密度が低下することにより骨折のリスクが上昇する。糖尿病の治療では、血糖やHbA1cをコントロールすることにより網膜症・腎症といった合併症を予防することが考えられるが、骨粗鬆症の治療では測定困難な項目があり、難しい点がある。
 一般的に骨折を起こすと、疼痛および疼痛に伴う生活機能の低下をきたすが、骨折発生後、特に大腿骨近位部骨折や椎体骨折では統計学的に死亡の相対リスクが高くなるため、脆弱性骨折を起こしやすい人や投薬によって骨折のリスク低下を期待できる人に対して投薬を行う。
 骨強度は骨塩量と骨質(骨基質・骨構造)およびその根底にある骨代謝などの要素によって決定され、骨質の概念としては、骨形成および骨吸収による構造的要因と材質的要因からなっている。骨粗鬆症を診断するということは、どれくらい骨折を起こしやすいかを推定し、骨折の予防のための外来診療の場では薬剤適応の決定と処方が中心となるが、診断時の評価としては、家族歴・既往歴・生活習慣等の問診、脆弱性骨折の有無(病歴、Xp)、骨代謝マーカーによる骨代謝回転の程度、骨塩密度(DXA)などにより、総合的に判断する。2000年の日本骨代謝学会による骨粗鬆症の診断基準では、脆弱性骨折をすでに認めるものもしくは骨密度値がYAM(若年成人平均値)の70%未満としているが、治療開始については、個別のリスクも考慮すべきである。このため日本骨代謝学会による骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン2006では脆弱性骨折予防のための薬物治療開始基準は、骨粗鬆症診断基準とは別に定めるとし、WHOのメタアナリシスで骨折危険因子として確定している過度のアルコール摂取や現在の喫煙・大腿骨頚部骨折の家族歴が項目として新たに組み込まれている。また、最近よく使われる数値としてFRAX(Fracture Risk Assessment Tool)があり、これにより個人の10年間での骨折の確率を評価できる。
 骨粗鬆症の治療薬としては、骨吸収を抑制するビスホスフォネートおよびSERMが主流であるが、骨吸収抑制剤の効果はビタミンDの充足が前提であり、充足していないと考えられる人へのビタミンDの併用は意義があると考えられ、Meta解析でも脊椎脆弱性骨折の予防効果が示されている。ビスホスフォネートおよびSERMの骨折予防効果については、これまでに多数の疫学調査により示されている。北米では骨粗鬆症診療の普及により大腿骨近位部骨折の発症が抑えられたとの報告があり、また大腿骨近位部骨折後の骨粗鬆症患者においてのビスホスフォネートにより総死亡率が3年後に28%減少したとの報告もある。
 骨吸収抑制剤治療の評価は、新規の脆弱性骨折の有無や骨代謝マーカーによって行われる。骨吸収抑制剤による骨密度増加の骨折リスクの低下への寄与率の検討では、骨密度の増加率は数%であり、骨密度の増加のみでは骨強度増加は説明できないが、骨折リスク減少効果の50%以上が骨吸収マーカーの変化によって説明できるとの報告がある。骨代謝マーカーの高値は骨折の危険因子であり、マーカーの低下が骨吸収抑制剤の骨折リスクの低下を反映する。
 骨粗鬆症治療方針では、大腿骨近位部骨折リスク判定が必要ではあるが、明らかなエビデンスを有するビスホスフォネート製剤(65歳未満の女性では、SERMも可)が第一選択となるがビスホスフォネート製剤で骨密度が増加しても、治療開始前の血中ホモシステイン・尿ペントシジンが高値の症例では骨質の改善が不十分で新たな骨折を起こす率が高い。また、骨質改善効果は、ビタミンD・ビタミンK2よりもSERM がより大きく、更には運動負荷による骨質改善も重要である。
「生活習慣病としての骨粗鬆症」
京都女子大学食物栄養学科 田中清教授
 骨粗鬆症の従来の定義は、「骨量の低下と微細構造の劣化を特徴とする疾患であり、そのために骨折の危険が増した状態」であったが、骨密度が低下すると骨折リスクは高くなるが、それがすべてではないと考えられていた。このため新しい定義では、「骨粗鬆症は骨強度が低下して骨折のリスクが増した状態である。骨強度は骨密度と骨質によって主に規定される」となっている。
 糖尿病患者での骨折リスクは、1型では大腿骨近位部骨折で大きく上昇し、2型では、全骨折では有意差はないものの、大腿骨近位部骨折・とう骨遠位部骨折では有意にRRの上昇がみられる。骨粗鬆症の診断にはT値を用い、YAM70%未満を骨粗鬆症と診断するが、年齢不相応な二次的原因の検索にはZ値を用いる。
 1型においてはZ値は減少するが、2型ではZ値はむしろ増加している。1型では骨密度からの予測値と比較しても著明なリスクの増加を認めるが、2型ではZ値の増加により骨密度からの予測値は減少するが、実際の骨折のリスクは軽度ながらも増加する。このことから2型糖尿病患者での骨折リスク増加は骨密度だけでは説明がつかず、骨密度の低下・骨質の低下といった骨の要因、糖尿病性合併症や尿中Ca喪失、Vit.Dの不足・レプチン・交感神経系(β-blocker)、PPARγ(チアゾリジン誘導体)、治療薬の影響といった骨以外の要因が考えられる。
 最近の話題としては、骨基質タンパクであるオステオカルシンの膵β細胞・脂肪組織に対する作用、内分泌臓器としての骨の働きが注目されている。また、インクレチンと骨との関連としてGIPは骨芽細胞を刺激し骨形成を促進し、GLP-1はカルシトニンを介して骨吸収抑制に働くことが報告されている。
 骨粗鬆症の診断の問題点として、血液や尿検査では診断できず、骨密度を測る機器が必要であり、正しく診断されて治療を受けている人はごく一部である。
 生活習慣病としての観点から一次予防としてカルシウム・ビタミンDの摂取により病気そのものを減少させる、二次予防は、骨粗鬆症健診などで早期発見を目指す。三次予防として、転倒予防、日常生活の工夫にてすでに病気になった人に対する対策を行うことが挙げられる。また、骨粗鬆症の新しい定義の問題点、特に糖尿病患者では、骨強度・リスクの増加といった実測不能な指標に基づいていること、骨折リスクの増加は疫学調査からは明らかにできるが個々の患者での診断はできないこと、また骨密度は骨強度の重要な規定因子ではあるが骨密度だけで骨強度は決定されないこと等が挙げられる。ステロイド骨粗鬆症のガイドラインでは、骨密度から予測されるよりもリスクが高いため、骨密度が高くても治療対象となるが、骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン(2006年)では、糖尿病に伴うものについては明確なものはない。
骨粗鬆症は、骨折してから治療するのではなく、骨折リスクが高まっていれば治療すべき生活習慣病的疾患であり、糖尿病は骨密度から予測されるよりはるかに骨折リスクの高い疾患である。
ワンポイントレクチャー1
「糖尿病性腎症で透析導入に至った患者の導入後の経過について」
桃仁会病院 橋本哲也先生
 糖尿病性腎症で透析導入に至った患者の経過・予後について解説されました。
 慢性透析患者は増加傾向であり、うち糖尿病が43%を占めている。糖尿病患者は慢性腎炎と比較して累積生存率が低いことが示されており、慢性透析患者の平均余命は50才で約半分、糖尿病性腎症の透析患者では1/4程度である。脳梗塞、心筋梗塞の発症に関しての危険因子でも糖尿病では上昇し、四肢切断については6.79と著明に上昇している。
 2004年に導入された維持透析患者70名での検討では半数が糖尿病で、死因はAMIが多かった。非糖尿病では感染症が最多であった。また、維持透析中の老健入所者の四肢切断(小切断、大切断)は糖尿病の比率が高かった。糖尿病透析患者では、血糖コントロール不良患者が1/3であり、GA値が高いと体重増加量は多い傾向にあったが、定期的通院もしくは往診患者はGA値は比較的良好であった。
 まとめとして、糖尿病透析患者の平均余命は健常人の1/4程度であり、生命余後だけではなくADL・QOLが低く、また自己管理意識が低い患者では血糖コントロールは悪く、透析間の体重増加も大きい。血糖コントロールおよび循環器的検査、フットケアなどの介入の必要があるが、通院介護などの社会的バックアップも重要であることを述べられました。
ワンポイントレクチャー2
「地区歯科医師会と地域中核病院との連携~愛政会山科病院における山科口腔サポートセンターの取り組み〜」
京都府歯科医師会公衆衛生部 宮本保幸先生
 山科口腔サポートセンターでの地区歯科医師会と地域中核病院との連携について解説されました。
 口腔サポートセンターとは、訪問歯科診療や口腔ケアを普及・推進する地域連携の窓口であり、現在京都市内11支部で構成される支部口腔サポートセンターでは、訪問歯科医の紹介や京都府歯科医師会口腔サポートセンターとの連携、情報交換会を行っている。
 継続した口腔サポートとして、組織としての態勢をとることが目的であり、口腔ケアの訪問歯科診療では、器質的口腔ケア・機能的口腔ケア等により摂食・咀嚼・嚥下機能の回復をはかることが主眼である。病院側が期待できる効果としては、誤嚥性肺炎の予防・栄養状態の改善・在院日数の削減等が挙げられる。
 例として山科口腔サポートセンターと愛生会山科病院との連携では、情報提供書や口腔ケアフローシートにより情報の共有を行っており、その効果として、医師・看護師等の口腔に対する関心の高まり、患者家族の口腔ケアへの期待の高まりが期待できた。
 また、新たな取り組みとして、音羽病院内科と歯科医師会山科支部でクリニカルパスを開始「糖尿病と歯周病」連携ネットワークを構築した。また糖尿病との関連が大きい歯周病について、連携の窓口がわからない、情報の共有が不十分、医師と歯科医師が顔を合わせる場がないこと等が今後の問題点として挙げられる。
結語として、これからは地域の医療資源を有効に利用し地域全体で支える地域完結型医療が求められ、医科・歯科の連携、病院・施設・他職種との連携など、地域連携の構築が重要であることを述べられました。
総合司会 − 手越医院 手越久敬先生
1.特別講演 − 司会 桝田 出先生
「骨粗鬆症診療の意義と実際」
京都大学大学院医学研究科 人間健康科学系専攻教授 坪山直生先生
2.特別講演 − 司会 山本泰三先生
「生活習慣病としての骨粗鬆症」
京都女子大学家政学部 食物栄養学科教授 田中 清先生
専門科よりワンポイントレクチャー − 司会 八城正知先生
3.「糖尿病性腎症で透析導入に至った患者の導入後の経過について」
桃仁会病院 泌尿器科・透析部長 橋本哲也先生
4.地区歯科医師会と地域中核病院との連携
〜愛生会山科病院における山科口腔サポートセンターの取り組み〜
京都府歯科医師会 公衆衛生部 宮本保幸先生
共催:京都府医師会 京都糖尿病医会
第15回地域糖尿病学習会報告
 平成22年8月21日に福知山ホテルサンプラザ万助にて開催された。参加人数は39名に上った。荒木クリニックの荒木先生の開会挨拶の後、ミニレクチャーとして京都府立医大の中村教授より糖尿病の新しい診断基準、最近の治療戦略について講演をいただいた。新診断基準でのHbA1cの取り扱い方やJDAと国際基準の違いや新薬の特徴、実際の使用例を解説いただいた。また新薬での2週間投与制限があることが、かかりつけ医を獲得する機会になりうると新薬の日数制限が基幹病院の専門医に錦の御旗になりうることを力説された。また、綾部市立病院の市田医長より綾部市立病院の取り組みや病診連携を行ううえでの鍵について解説された。症例報告では市立福知山市民病院の総合内科の蔵本先生よりフットケアーチームの実際の治療例を高尾医院の高尾先生よりBOTの症例、牧野医院の牧野先生よりDPP4阻害剤使用例、京都ルネス病院の冨士原先生より糖尿病と悪性腫瘍の疫学データの提示をしていただいた。パネルディスカッションでは非専門医でも糖尿病治療をどのように行っていくかを症例を用いながらフロアーと討論した。高尾医院の高尾先生に閉会の挨拶を頂き終了した。尚、学習会終了後のアンケート結果では内容については非常に好評であった。また、アンケートの回答から病診連携についても関心が強く多くの方がどういうふうに連携をとるべきか思案されている様子がうかがえた。
(文責:畑 雅之)
京都糖尿病医会役員会報告
第90回 京都糖尿病医会役員会
平成22年5月20日
報告事項
@第17回京都糖尿病医会学術講演会:平成22年6月26日 京都府医師会館
A第18回京都糖尿病医会学術講演会:平成22年11月27日 新京都府医師会館「膵疾患」大津日赤 土井隆一郎先生、九州大学 伊藤先生。
B各種委員会報告:京都医学会 9月26日(日)
「膵臓がん?」「膵疾患」
C審査会情報:いまだにビタミン剤を多数例に注射している医療機関がある。またいまだに「ガン疑い」名が一的で腫瘍マーカー検査が施行されている。
レセプトの整理ガ出来ていない。
D会員情報交換(何か一言):岡本 三希子先生→梶山 静夫先生
協議事項
@第19回糖尿病地域学習会:平成23年夏
伏見区(大石まり子先生)・京都医療センター(島津 章先生)
A京都府医師会専門医会 会長会議報告:分担金(163,000円)
BDPPW阻害剤投与による重症低血糖に対するrecommendation:啓発講演会 9月30日
Cロコモーティブシンドローム研究会:平成22年8月7日 ウエスティン都ホテル
D糖尿病治療研究会:「認知症と糖尿病」
第91回 京都糖尿病医会役員会
平成22年6月24日
報告事項
@第17回糖尿病地域学習会:平成22年8月21日 サンプラザ万助
高尾嘉興先生、畑 雅之先生
A各種委員会報告:京都医学会 中尾一和先生、「iPS細胞」「話題の感染症とワクチン」
B審査会情報:脱水に対する200mlの補液の有用性。
ASOを疑って超音波検査を施行する場合はABIくらいは必要。
「めまい」に対する重曹の注射は適応を十分に考慮するように。老人のふらつきに対して画一的多数例に施行されている医療機関がある。
C糖尿病対策推進事業員会:パスの作製(藤本先生、中村先生)
学習会は10月スタート
Dその他:保険医協会定期総会、保険医協会との懇話会。
協議事項
@第18回糖尿病地域学習会:平成23年3月5日
東山地域 京都第一赤十字病院 田中 亨先生
ARAS抑制剤講演会:平成22年10月23日 新医師会館
浦 信行先生(手稲渓仁会病院 総合診療科部長)
ケースカンファレンス:辻 光先生「尿中Na排泄からみた血圧管理」
BProf. Vranic 講演会:平成22年10月3日(日)運動療法(sportology)
京都大学糖尿病栄養内科 原田先生
CDPPW阻害剤投与による重症低血糖に対するrecommendation:啓発講演会
インクレチン関連薬剤を発売する全ての製薬会社の共催とする。
第93回 京都糖尿病医会役員会
平成22年8月26日
報告事項
@第18回京都糖尿病医会学術講演会:平成22年11月27日 新京都府医師会館
コーディネーター 土居健太郎先生:「膵疾患」
九州大学:伊藤先生、大津日赤:土井先生、(眼科)千原先生
A第19回京都糖尿病医会学術講演会:島津 章先生 平成23年6月25日 医師会館
「糖尿病と脂肪肝をめぐって」のテーマで、NASH関連の話題。岡上 武先生
B第19回糖尿病地域学習会:伏見区・京都医療センター 平成23年夏
伏見医師会との共催。京都医療センター。大石先生、島津先生。
C各種委員会報告:「くらしと健康展」9月18〜19日
D審査会情報:糖尿病合併症管理料の算定は高リスクの患者に限る。
検査を目的とした疑い病名(BUPのための心不全、PRA・PACのための高血圧など)は原則的に認められない。
E糖尿病対策推進事業員会:世界糖尿病デー・ブルーライトアップ 東寺五重塔、ニ条城、京都タワー
協議事項
@第20回京都糖尿病医会学術講演会:福井道明先生 平成23年11月
A担当者:ディベートカンファレンス:9月16日「糖尿病患者の腎機能評価は糖尿病腎症病期分類が良いかCKDステージ分類が良いか」
糖尿病エキスパートミーティング:11月6日
糖尿病治療研究会:23年2月26日「認知症と糖尿病」
第42回京都糖尿病治療研究会:23年4月21日
B新医師会館:会議室利用料、賃貸料など
C健康いきいき体操:日本糖尿病協会 九州エアロビクスの大村さん。
10月31日 KBSホール
DDPPW阻害剤投与による重症低血糖に対するrecommendation:啓発講演会
基調講演:稲垣教授、症例報告(長谷川剛二先生、鍵本伸二先生)
第94回 京都糖尿病医会役員会
平成22年9月30日
報告事項
@第18回京都糖尿病医会学術講演会:平成22年11月27日 新京都府医師会館
コーディネーター 土居健太郎先生:「膵疾患」、 総合司会 谷口 先生
九州大学:伊藤先生、大津日赤:土井先生、(眼科)千原先生
A審査会情報:糖尿病と診断後のGTTにはコメントが必要。
B会員情報交換(何か一言):鍵本伸二先生→金綱隆弘先生 or 紀田康雄先生
協議事項
@メトグルコ発売記念講演会:平成23年6月2日
Aその他:DPP4阻害剤発売1周年記念講演会:協力はするが共催はしない。
糖尿病診断時の同一月HbA1c2回測定:糖尿病の初診月または糖尿病診断のため施行した旨の注記を記載すれば認めていただけるように審査会に要望書を提出する。
新入会員
村田 敬先生 : 京都医療センター
真多 浩子先生 : またクリニック
村上 健彦先生 : 舞鶴自衛隊病院
保険診療Q&A
 今回は糖尿病診療における審査基準を列挙してみます。いずれも常識的なものばかりですが参考にしてください。
在宅関連
・糖尿病合併症管理料:ハイリスクの患者(ASO、壊疽、神経障害など)に限る。
・インスリンのキット製剤を使用している時は「注入器加算」の算定は不可。
・2型糖尿病でも1日4回以上インスリン注射をしている場合は「注射針加算200点」の算定が可能。
・インスリン処方なしで在宅自己注射指導管理料を算定する時は、前回のインスリン処方日・処方量・投与日数の記載が必要。
・血糖自己測定器加算「月80回以上,100回以上,120回以上」の算定は1型糖尿病に限る。
投薬
・SU剤と速効型インスリン分泌促進剤(グリニド系薬剤)の併用は不可。
・α-グルコシダーゼ阻害剤(グルコバイ、ベイスン、セイブル)の2剤併用は不可。
・「心不全」に対するアクトス投与は可であるが、臨床上十分な注意が必要。
・「腎不全」に対するビグアナイド製剤の投与:明らかな腎不全例(Epo製剤の注射など)は不可。
・キネダック:原則として「糖尿病性神経障害」の病名が必要。
・1型糖尿病に対する経口血糖降下剤投与:α-グルコシダーゼ阻害剤は可。それ以外の薬剤に関しては取り決められていない。
検査
・HbA1c、1.5AG、グリコアルブミン:「糖尿病(疑)」「境界型糖尿病」など耐糖能障害を示す病名が必要。
・「糖尿病疑」でIRI測定は可。
・すでに糖尿病と診断されている場合、血中CPR,IRI、尿中CPRはいずれかを3か月に1回。初診時はいずれかを2回まで可。
・すでに糖尿病と診断されている患者に対する糖負荷試験には必要理由の注記が必要。
・「糖尿病疑」で耐糖能精密は可。
・抗GAD抗体測定:「1型糖尿病(疑)」が必要。
・尿中アルブミン測定:「糖尿病」と診断されている場合のみ可。「早期腎症(疑)」がなくても可。「糖尿病疑」は不可。膠原病、高血圧症なども不可。
・インスリン治療中(在宅自己注射指導管理料算定)のIRI測定は不可(CPRを測定するべき)。
・インスリン治療をしていなくても血中CPR測定は可。
・「糖尿病早期腎症」でシスタチンCと尿中アルブミンの併施は可。
・インスリン治療の既往のないインスリン抗体測定は不可。IRIとインスリン抗体の併施も不可。
・糖尿病、高脂血症などの慢性疾患で1年に1回程度の心電図や胸部レ線の検査を施行するときでも検査目的を示す病名が必要。高血圧症では可。
・頸動脈超音波検査:「敬動脈硬化症(疑)」の病名があれば可であるが、画一的・多数例にならないよう、必要性をよく考慮してください。
審査会では全ての審査委員が同じ基準で審査するように努力していますが、それでも個人によっては審査基準が異なることがあります。不審に思われる場合は事務局までご連絡いただくか、再審査請求をお願いいたします。
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